大学の世界展開力強化事業 タイプA:キャンパス・アジア中核拠点形成支援

持続的社会に貢献する化学・材料分野のアジア先端協働教育拠点の形成

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ご挨拶

平成23年度から5年計画の、文部科学省の大学の世界展開力強化事業の一つ、日本・中国・韓国のトライアングル交流事業、キャンパスアジア「持続的社会に貢献する化学・材料分野のアジア先端協働教育拠点」が採択されました。このパイロットプログラムには、日本からは名古屋大学と東北大学、中国から南京大学と上海交通大学、韓国からソウル国立大学校と浦項工科大学校が参加します。この三か国の共同提案の課題に対しまして、その趣旨を深くご理解いただき採択いただきました、日本の文部科学省と日本学術振興会、さらには中国と韓国の政府担当機関に深く感謝申し上げます。

世界は急速にグローバル化しております。グローバルな視点と経験を持った人材が社会でますます強く求められていくことは疑う余地がありません。日中韓のトライアングル地域は、学術・技術的なアクティビティーが高く、経済的にも世界的に強い影響力を持つようになっています。

資源エネルギー・環境問題に代表されるように、持続的社会をいかに構築していくうえでの技術的な喫緊の課題に対して、化学・材料研究の果たしていく役割は極めて重要です。たとえば、低エネルギーで高効率に作用する触媒の開発、従来にない高性能な医薬品の開発、石油以外の原料から化成品を作る手法の開発、淘汰を経て到達した精緻な生物の構造と機能を理解し模倣する手法の開発、高効率な光・熱・電気エネルギー変換材料の開発、生活を快適にし産業の効率化に資する各種機能物質(有機・金属・無機・高分子・複合材料等)の創出、特殊環境や災害に対応するための特殊素材や材料の開発などは、すべて化学が主役となる分野です。

当プログラムは、大学院生を中心とした交換学生交流等を中心として、日中韓にてトップレベルの研究ポテンシャルを有する大学間で研究・教育を相互に補完しながら連携を進めます。これにより、この分野の活性化を進め拠点形成を行うとともに、世界的な視野をもつ化学・材料分野でのリーダーとして活躍できる人材の育成・輩出の一助とすることを目的としています。

平成23年度には日中韓のトライアングル交流事業において10件の課題が採択されています。その中にあって当事業には二つの特徴があります。一つは、今回採択された理工系課題の中で化学と材料の研究教育に焦点を当てた唯一の採択課題であること、そしてもう一つは、日中韓で2大学ずつが参加している、バランスをとった、かつ骨太な体制をとっていることです。特に日本側が2大学からの共同コンソーシアムとして申請している課題は他になく、教員や学生の多様な希望に対して、多くの選択肢から柔軟な対応が可能です。

当プログラムでは、交換留学だけでなく、リアルタイムでの交流のためのテレビ会議施設の充実や、多数の集中セミナーの開催やシンポジウム開催も行っていきます。これらは、共同研究のきっかけや研究教育の深化につなげるために積極的に利用していただきたいと思います。化学は特に実体験と経験が特に重要な学問領域です。他国の研究室と交流し、有効な経験をしていただくためには手厚い指導が必要です。そのために十分な支援体制を整え、手厚いティーチングアシスタントやチューターの採用を行っていきます。

プログラムの推進に対して障壁はないわけではありません。たとえば、言語の違いは勿論ですが、日中韓でセメスターの開始時期が三カ国ですべて異なります。実際に交流を行うに際し、単位互換を旨とする本交流プログラムに制約と難しさを生じさせる懸念があります。しかし、これは日中韓の大学間で理解を進め、教員の知恵と学生さんの積極性とバイタリティーがあれば、十分克服できることです。比較的短期間の相手国滞在ではありますが、各々の学生さんの人生のターニングポイントとなりうる貴重な機会を提供できるものと信じています。皆さんにこの機会を有効に活用していただき、当プログラムが持続的社会に貢献しうるアジアひいては世界の化学材料分野の拠点形成、研究教育推進、優秀な人材輩出の貢献に一石を投じるきっかけとなることを願ってやみません。事業の推進にご理解とご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

名古屋大学大学院工学研究科
関 隆広

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